米澤一平です。今月仙台で開催される東北タップ&アートフェスティバルに向けて、自身のタップダンス人生を振り返り、久々に長文を、書きました。
―(タップダンスをはじめて) 私は10年前、15歳のときにタップダンスをはじめました。 とある映画を見た事をきっかけに、タップダンスをやりたいと強く想い、週一回習う事のできるカルチャー教室を見つけました。 私のはじめてのタップダンス体験は、音の鳴らない運動靴でしたが、華麗にタップシューズを踏み鳴らす先生を目の当たり、足の動き以上にたくさんの音がしていて、それは本当に不思議な光景でした。私は、魔法にかけられたようにその靴から目が離せなくなり、感動した感覚を今でも思い出せます。 その時の先生が熊谷和徳というタップダンサーがとてもすごいと語り、またタップシューズを購入出来る御店を教えてくれました。週末には熊谷和徳のDVDとタップシューズを購入し、翌週からはタップシューズを履いてレッスンを受けました。 ―(熊谷和徳と出会って) 半年後には、私は週一のレッスンでは我慢できずに毎日タップダンス練習して、またいくつものレッスンに通う生活になっていました。(もちろん高校にも通っていました) タップシューズを購入した御店では、タップダンスの古い映像を見る事が出来たので、以来たまに御店を訪れては映像を見せて貰いました。ある日いつもように映像を見ていると、練習から出て来た熊谷和徳に出会しました。(御店には個人練習室が併設されていました) 「あのDVDの人?だよな…」と緊張しながら同じ空間に居ました。 店主が「かずくん」と呼んでいたのでやっぱり!!と思い気になりながらも、私は依然としてかずさんに背を向けながら、あまり情報が入らないながら映像を見た振りを続けていました。 少しして後から「君もタップをやっているの?」と、かずさんに声をかけられました。私は頷き、そのとき思い切ってサインをお願いしました。それから「きみも良かったらワークショップにおいでよ」と御誘い戴き、今思ってみてもその出会いこそが、私の人生の大きな転換期になったのだと思います。 その年の年末には、木(moku)という会場で開催されてきたかずさんと仲間達による伝説的なタップダンスイベント『HOOFERS CLUB(フーファーズクラブ)』のラストを観に行きました。 バンドが演奏し、ひとつの小さな板(120×120cm)の上に、次々と踊りに飛び出してくるタップダンサー達、そして日本が誇るタップダンサーがひとりずつアカペラでタップを踊り、最後はそのひとつの板の上に全員が乗って踏んでました。(確か熊谷和徳、TAKA、SUJI、RON×Ⅱ、SARO、DOJIだったと思います) イベントが始まってから、どんどん人が集まり店内から溢れる程の人達囲む中、当時15歳の私は数センチ目の前で踊る彼らを最後まで見届けました。その後、タップシューズを持っているかと聞かれ、本当に生まれてこんな緊張するかという中で踊りました。ライブ中も、ずっとドキドキしてました。 あの時の衝撃は本当にすごかったし、生まれて初めて感じた今の日本のタップダンスシーンの最高峰を肌で感じ、本当に格好良いと心から震えました。 ―(タップダンス人生) タップダンスをはじめて一年後には、青山円形劇場で行われたかずさんの単独公演『TAPPERS RIOT』にサポートメンバーとして踊りました。 そこで、かずさんを通じて出会ったのが、今の仲間達です。 一緒に過ごす時間が長い時期もあれば、しばらく離れる時期もあったり、それぞれが個人として活動しながらも、タップダンスという同じ文化を共有する仲間として一緒に踊れる時の喜びは特別なものです。 この10年間タップダンスと道を歩みながら、本当に色んなことがありました。 また、音楽、美術、舞踊、演劇、映画、文学、テクノロジー、、色んな刺激的で魅力的な文化やアーティストと出会いながらも、やはり私にとってタップダンスは特別で、タップダンサーである自分が、すべての価値観の基準として行動し、考えて、感じてきました。 すべては、自身のタップダンス人生にあるのだと思います。表現者として経験し、学んでいく度に、TAPDANCEという文化の素晴らしさ、言葉や時代を超える普遍的なパワーやアート性はより深いものと実感し、過去・現代・未来へのリスペクトの精神を大切に、しっかり人間的にも成長して行きたいと思います。 ―(東北タップダンス&アートフェスティバルに向けて) 今、タップダンサーとして歩んで来た自分自身をもう一度大きく見つめ直す機会だと思います。 『東北タップダンス&アートフェスティバル』は、分野を超えたアーティスト達が集う最高にヤバい三日間になると予感しています。 今まで歩んできた仲間と、今回駆けつけた素晴らしいアーティストや参加者たちと、素晴らしい時間にしたいと、大きな期待感で今からどきどきしてます! 私自身あの15歳の頃の感動を今でも大切に、これからの人生いつでも何度でもあのどきどきに遭遇したいと思ってます。そして私は今アーティストとして、自分が出会って来たどきどきを丁寧に、繊細に、大胆に表現します。 だから是非多くの方に、この胸高鳴る感情との出会いに、楽しみにきて戴きたいです。
by tappersriot
| 2015-11-09 08:20
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